今年の春は、様々な花の咲く時期が早かったように思います。
桜、藤、ツツジ、、、あっという間に見頃は過ぎていきましたね。
自宅で育てている植物も、ゴールデンウィークあたりから花の見頃を迎えています。
綺麗に咲いてくれたので、お店の花入れを使って写真を撮りました。花を直接活ける機会の少ないお道具ですが、やはり花を飾るとお道具がいつもより素敵に見えてきます。
明日には散ってしまいそうな大きく開いた芍薬を竹かごへ。
芍薬や牡丹は、咲き始めより開き切ったほうが華麗さが増して私は好きです。
白い花と煤竹の色が互いに惹き立て合い、芍薬の優雅な美しさが印象的になりました。
持ち手部分が天然竹の花かごは表情豊かで、どんな花をどんな風に活けたとしても、大らかに受け入れてくれます。
豪華な花も繊細な花も、気負うことなく美しく自然な姿でそこにあります。花かごの役割は、そんな風に自然の多様な花を受け入れ、その空間や鑑賞する人に心地よさを与えるものです。
天然竹手末廣花藍
初代前田竹房斎(1872 - 1949)
size : 26.5cm x 26cm x 48.5cm
花 : 芍薬
この白い紫蘭も私の好きな花。
斑入りの葉は、花や茎を下から支えるように大きく広がり、繊細な花を存在感のある美しい姿にしています。
この花に合わせたガラスの花入れは、フランスからやって来たものです。
全体に施されたエッチング加工が柔らかく光を反射して、白いガラスの美しい魅力を惹き出しています。
金彩模様は、宿り木の模様です。あまり馴染みのない模様ですが、ヨーロッパでは、幸運を意味する植物だそうです。小さな丸い実と丸みを帯びた可愛らしい葉っぱが印象的な植物です。
どの国の人も、幸せや楽しみ、自然の景色を日常の生活道具の中に取り入れているんすね。
ジブレ文金彩宿り木模様花瓶
Saint Louis
size : 6.8x15.4cm
花 : 紫蘭
しなやかさと強さを併せ持つ竹の性質を利用して作られた曲線は、柔らかさと広がりを、そして白竹の色艶が清らかさを感じさせてくれます。
それはまさしく「波紋」を表現しています。
思うままに広がりを見せている竹ひごは、それぞれが意図的に規則正しく配置され、花かご全体の安定した佇まいとなっています。
その安定感は、重厚なものではなく、風が通り抜けるような爽やかさもあります。
どんな花を活ければ、本来の美しさを見出せるのか分かりませんが、新緑の草木が風になびく様子や、白竹に寄り添う沿う白い花が、自然な野原の風景を見るようです。
白竹波紋花籠
末村笙文(1917 - 2000)
size : 32cm x 31cm x 21cm
花 : 紫蘭, バイカウツギ, コデマリ, 洋蘭
古錫の味わい深い小さな建水に、色鮮やかな枝を挿しました。
花 : バイカウツギ
漢詩彫古錫建水
size : 4.6cm x 4.6cm
錫古銭形急須台
釜師 堀浄親
size : 8cm x 0.8cm
掛花藍
飯塚琅玕斎(1890 - 1958)
size : 13.3cm x 9.5cm x 12.5cm
花 : 洋蘭, バイカウツギ