2月のお店には、お花がいろいろと飾られていました。
馴染みのお花屋さんが時々、季節の花を生け込みに来てくれます。
もちろん花器はお店にあるものを利用します。京都店にはたくさんの花入れがありますからね。
寒い季節でも少しのお花があるだけで華やかになり、心地良い空間になるから不思議です。
時には、お店のスタッフも工夫して花活けを楽しんだりもします。時間とともに新しい花が咲いたり、枯れて花弁や葉を落としていく姿も、日々の楽しみとなります。
繊細な花かごと野趣あふれる椿の木。
対称的なものの取り合わせが素敵ですね。
黄色い小さい花がたくさんあって、気持ちが明るくなるお花。
ラン科のオンシジューム。
四代竹雲斎の花かごが活躍しています。
シンプルな竹花入れは、洋花にも合わせやすいようです。
真垣(まがき)編みという竹ひごを縦方向に整列するように編む技法。
竹の素材の美しさとしなやかさが際立つ花入です。
白錆(しらさび)と黒錆(くろさび)という仕上げ技法は、それぞれに違った美しさを見せてくれます。
花藍 「万葉」
四代田辺竹雲斎
size : 33cm x 19.5cm x 33.5cm(H)
シンプルでありながらも、どっしりとした存在感がある花かご。
竹ひごの幅や間隔の違いで、その印象は大きく変わります。
真っ直ぐで誠実な姿。
「千条」という銘が、腑に落ちる作品です。
胡蝶蘭をひとつ投げ入れるだけで、それを大らかに受け入れて美しい景色を作り出してくれます。
アメリカを代表するアーティストであるリチャード・セラの作品が飾られている和室の床の間に、花かごを置いてみました。
鮮やかな花と清廉な竹かごが、重厚な作品を優しく引き立ててくれています。
花籠 「千条」
飯塚琅玕斎(1890-1958)
size : 25cm x 24.5cm x 53cm (H)
昨年の9月に夢工房京都店で開催された、「若杉聖子展」で展示されていた花入。
若杉さんの作品は、自然の景色をイメージしたような無釉の白磁で制作されており、機械的な端正さの中に優しさと清らかさを併せ持つ独特の作風です。
オブジェのような花瓶が多数あり、花を生けていなくても素敵に飾っておけるものですが、今回は小さな春の花を合わせてみました。
陰影が美しい白磁と黄色のフリージア。
凛とした美しい花瓶です。
花器
若杉聖子
一輪挿し
若杉聖子