Art Fair Tokyo 2022 終了しました

四代田辺竹雲斎展 循環

2022年3月10日~13日にかけて、東京国際フォーラムにて開催されたアートフェア東京2022は、無事に終了することができました。開催期間中は、多くのお客様にお越しいただきました。

ありがとうございました。

 

「四代田辺竹雲斎展 循環」として、竹のインスタレーション、新しいアート作品、NFT技術によるデジタルアートをご覧いただきました。

昨年、同じ場所で公開したものを上回る巨大なインスタレーション「循環 - RECIRCULATION-」は、まさに圧巻でした。

大きな壁へ向かって旋回しながら広がっていく姿。

足元はどっしりと根を下ろすような安定感。

大人が余裕で入り込めるトンネル。

竹の編み目の隙間から木漏れ日のように降り注ぐ光。

近くで見たり、離れて見たり、どこから見てもインパクトのあるその姿は、多くの人の記憶に焼きついたことでしょう。

竹ひごという単一の素材のみで制作されたインスタレーション。そこには大自然の心地良さや自由奔放な感覚を表現しながらも、竹工芸の伝統に裏打ちされた編組技術による凛とした潔さをも併せ持つものでした。

四代田辺竹雲斎展 循環

この巨大な作品は、恒久的なものではなく期間限定での展示です。しかし使われている材料は、廃棄されることなく次の新たな作品へと転化されていきます。

これは、四代田辺竹雲斎が大切にしているテーマである「つながり」や「循環」という持続可能な制作コンセプトなのです。明治時代より受け継がれてきた竹工芸という伝統を維持しつつ、四代竹雲斎としての新しい試みを模索し辿り着いたテーマなのです。世界的に地球環境問題が顕在化し、多くの人がそこに注目し、何かしらの貢献をしたいと考えるようになりました。彼は伝統の踏襲とアートを融合させ、かつ意識的に地球環境へ還元できる作品としてインスタレーションの制作をしています。

限られた時間と限られた空間の中での大きな作品の制作は、人や材料の手配、作業工程、何よりイメージしたものを表現する作業は、決して簡単なことではないでしょう。

しかし、竹を通して自らの存在意義をより多くの人へ伝え、そして記憶に残したいという使命感があるのかもしれません。

夢工房は、そんな四代田辺竹雲斎の活動をサポートし、たくさんの人がこの作品を楽しんでくれることを願っています。

四代田辺竹雲斎展 循環

メイン会場のインスタレーションとは別に、無料で楽しめるロビーギャラリーにも「WORMHOLE」という作品が展示されました。

長いチューブ管の形をしたものが、床を這っています。今にも動き出しそうな生命感のある不思議な作品です。

両端に設置された木枠から現れ出てきたようでありながら、反対側から見ると、ブラックホールのように吸い込まれていく穴が出現しています。

作品の表と裏を同時に見る感覚。竹ひごの裏側が思っているよりも白いことにも驚きました。開放的な空間を使った表現の多様性が伝わる素晴らしい作品でした。

四代田辺竹雲斎

略歴

1973年生まれ。

東京藝術大学美術学部彫刻科卒。

父、三代田辺竹雲斎に師事。

竹工芸の伝統技術や精神を受け継ぐ一方、コンセプチュアルな作品を制作。

現代アートの可能性を広げる竹の大型インスタレーションが国内外で高い評価を得ている。

 

四代田辺竹雲斎ホームページ